タテ・ヨコ・ナナメ

はたらくことについてタテ・ヨコ・ナナメの切り口で語ってみます

企業の安定と雇用の安定

「安定した企業に行きたいんです」

…という求職者さんによくお会いします。
中途もそうですし、新卒も。

よく思います。

「安定って何?」と。

求職者さんの言う「安定」というのは、
「倒産しない」「リストラしない」「給与カットがない」「定年まで働ける」
といった感じでしょうか。

まぁ、気持ちは分からないでもない。
いやいや、とってもよく分かります。

私も安定したい。
少なくとも子どもが就職するまでは、金銭的な苦労は絶対させたくない。

ただ。

安定って何さ、と。

「企業の安定」と「雇用の安定」、更に言うなら「労働の安定」は
それぞれ異なります。
これを混同している方が多いように思います。

「企業の安定」とは、企業が永続的に続くこと、倒産しないことです。
多くの方はこれを「安定」と言ったりしています。
が、それと「雇用の安定」はイコールではないのです。
もっと言うなら企業が安定するためには、雇用は安定しません。

業績が悪化し、資金繰りに苦しむ企業がすることって何だと思います?
経費削減です。どこから手をつけるかは企業によりますが、
にっちもさっちもいかなくなると、人件費の削減に走ります。
リストラだったり、ボーナスカットだったり、給与ダウンだったり。

「企業が安定」するためには「雇用は不安定」にならざるを得ない、
ということは往々にしてあるわけです。

雇用の安定とは、取りも直さず、市場価値を高めること。
雇用能力を高めること。市場から必要とされること、です。
特定の企業で勤務し続けるではなく、
いつ企業が倒産したとしても、すぐに次の職場が見つかるようなキャリアを作ること、です。

この辺りを勘違いしてしまうと、いざという時に
職にあぶれてしまい、それこそ不安定な日々を過ごすことになりかねません。

ご注意を。