タテ・ヨコ・ナナメ

はたらくことについてタテ・ヨコ・ナナメの切り口で語ってみます

こんなクライアントには紹介しづらい

大手以外のエージェントは大抵、求職者のサポートと企業への営業を両方担当します。
「両手」とか「両面」(何故かりょうめんではなくりゃんめんという)とか「一気通貫」とか
言ったりします。多分麻雀好きな人がつけたネームでしょう。

さて、企業との関わりにおいても、求職者の時と同様に
 「この企業のために何とか良い人を紹介したい」
 「この企業は好きになれない」
という気持ちになることがあります。

求職者と違って、お金を支払ってくれるのは求人企業。
従ってそんな「好き嫌い」に近い感情で対応に差があってはいけないのですが、
とはいえやはり優先度や力の入れ具合に温度差が出来てしまうのは、無理もない話。

紹介しづらいなぁ、というクライアントにも色々あります。

選考結果がやたら遅い

やりづらいです。もちろん選考における関係者の関わり具合によっては
致し方ないケースもありますが、どう考えてもそんなに時間かからんだろ、
というベンチャーとかでも、一週間二週間は平気で放置、という企業もあります。

日頃「なるはやで人を採用したい、とにかく急募」とか言われてたりすると
なおさら「何やねん」となります。スピード感て大事です。

フィードバックがイマイチ

面接後、候補者から面接の印象や志望度、感想などをヒアリングして
企業側にフィードバックしたりします。面接が通過し、最終フェーズが近づくと、
何とかうまく選考を進めたいので、企業側に評価ポイントや選考上の懸念点を
確認しますが、これが全然ない。
無理矢理聞いても「評価良いみたいですよ〜」とかよくわからん対応。
そりゃ評価良いから面接通過してんだろ、と。

落ちた時もNG理由「厳正なる選考の結果、残念ながら…」みたいなやつ。
今後の紹介において、どういう点で気をつけたらいいのかさっぱり分からず、
紹介の精度が上がりません。

最終面接まで進んでおきながら、最終面接のNG理由が「転職回数が多い」とか。
いやあんたそれ書類選考時点で分かるっしょ、と。

日程調整が下手

書類通過し、候補者に面接候補日を確認して、企業に調整を依頼します。
…が、全然日程が出てこない。
候補者には、提出した候補日については日程が決まるまで極力プロテクトしてくれ、
てなことを伝えますが、候補日を企業に伝えてから一週間とか放置されると、
さすがに忙しい社会人ですから、プロテクトも難しくなったりします。
こういう調整が遅々として進まないと、企業として底が見えてしまう感じです。

殿様である

基本的に求職者と求人企業は、企業サイドの方が立場が強いケースが多いです。
選考する側される側、みたいな感じ。
ということもあってなのか、やたら上から目線というか殿様な感じの企業もあります。
企業側から面接候補日を出すものの、働いてる人には結構厳しい設定しかなかったり、
せっかく有給取って調整したのに直前になってリスケジュールを繰り返されたり。

面接の場でも、面接官が平気で30分ぐらい遅刻してきて、詫びの一つもなかったり。
これを求職者がやったら即NGにするくせに、自分たちは何だっつーの。

人事と現場と経営で意識が共有されていない

求人ニーズというのは大抵は現場から生まれるものです。
あるいは経営サイドから中長期的視点にもとづいて採用計画が落とされたりもします。
で、それを中途採用担当が取りまとめてエージェントに渡される、というのがよくあるケース。
とはいえ、我々もより具体的なニーズを拾うために、現場へのヒアリングをしたり、
経営に対してアプローチをかけたり、複合的にその企業に必要な人材について探ります。
顕在化したニーズに応えるだけではなく、いかにニーズを顕在化させるか、みたいなところ。

しかしながら、そう大きな企業ではなくても、経営、人事、現場とそれぞれの思惑が
てんでバラバラだったりすることもあります。そうなるともう、ね。
経営から聞いた内容にもとづいて人事に提案しても、
人事側はさくっとはじいてくれちゃったり。

自社に自信を持ってない

求職者にその企業の魅力をお伝えしなければならないため、企業の魅力について
ヒアリングすることが多々あります。が、魅力を伝えられない人事って結構います。
同業他社と比較して、どういう優位性があって、どう求職者に訴求したらいいのか、って
基本のき、だと思うのですが。



…とまぁ、色々書きましたが、紹介しづらいと感じる一番の要因は
「採用に対する本気度を感じない」
ということだと思います。

本気で良い人を採用したい、という企業は、
候補者を大切にしますし、選考中の方が何とか通過するように我々と二人三脚になって
情報共有しようとしますし、スピード感やフィードバックの丁寧さなど、隙がありません。

面接の日程調整も、候補者が忙しければ土日で調整してくれるケースもありますし、
朝7時とか、夜10時とか、こちらが申し訳なくなってしまうような時間帯で
対応してくれることもあります。

「とにかくこの方とは早く会いたいんです」
という気持ちがビンビン伝わってくる。

こういう企業には、どんどん人を紹介したくなります。

候補者もその企業に対する印象が良くなることが多く、
選考をすればするほど、ファンが増えていく、ということになります。

積極採用ながら、全然紹介されないよ、という企業は、
この辺り見なおしてみると良いと思いますよ。

#もちろん、求める求人の難易度と年収のギャップなども疑った方が良いです